先日、三週間ぶりに、家族で図書館に行き、
本を借りた。
今回は10冊ほど。
今から読むのが楽しみでわくわく。
でもその日、いつもとは違うことがひとつあった。
それは、主人と二人娘が本を借り、
続いて私が借りる本を受付まで持って行っった時のこと。
小4の次女が私に一冊の本を差し出し、
「はい、ママ。これ読んで。借りたから」と。
見るとそこには、
「若々しいグレイヘアの作り方BOOK]とのタイトルの本があった。
一瞬、「えっ?まじかー(汗)」となってしまい、
思わず「来週、髪をそめにいくんだけどね」
と言ってしまった。
美容院に行くのは本当だけど、
言った後から、
「しまった!?」
と思ってしまった。
次女が、「ママ、読んでくれないの?」
と心配してきたのだ。
「いや、折角借りてくれたんだから、読むよ。
髪は染めるけど、読むよ。
読んで参考にするよ。
ありがとう」
と言い、次女を安心させた。
たとえその本がどんな本であれ、
私を思っての行動を、
むげにはできなかった。
日頃から。
半年に一回は髪を黒く染め、
出来るだけわか見栄するようには努めてきたつもり。
そうでなくても、高齢ママ。
子供に肩身の狭い思いはさせたくないので、
出来る範囲でがんばってきたつもり。
でもある時、いつもいくリーズナブル美容院で髪を染めた時にかぶれてしまい、
顔がふくらんで、ぱんぱんになって、目がくぼんで、
人相が激変したことがあったのだ。
幸い一週間ほどでなんとか人前に出られるようになったのだが、
それから、私の美容院探しが始まった。
最初は「高級美容院」も考えたが、
いかんせん専業主婦の身分。
あまりにも高い価格は出せない。
そこで、大型ショッピングモール内の美容院を見つけて行ってみた。
おそらくチェーン店だろうというそのお店は、
価格はお手頃ですが、しっかりとした接客態度と、
安心感のある手際の良さで、
「ここなら大丈夫」
と思わせるものだった。
「前回かぶれたので、白髪染めではなくて、マニキュアで」
とあらかじめ頼んでおいたので、
かぶれないように注意をしてくれて、
結果、無事にかぶれることはなかった。
が、しかし。
かぶれなかったが。
家でシャンプーのたびに、色が落ちた。
髪の色が白くなるほどではないが、
とにかく、毎回毎回、タオルが茶色になる。
そのうちおさまるだろうと思っていた私も、
何か月も続くその色落ちに、
しまいにはうんざりしてしまい、
「ここは、合わない」
とさっさと辞めることにした。
そして半年後。
またもや白髪が目立ってきたので、
次の美容院探し。
次こそは、かぶれず、タオルが汚れないところ、
と思って探したが、
結局、行ってみないと分からないのよね。
そこで近所の老舗(?)の美容院、
要は、昔ながらの個人店の美容院に行ってみることにした。
お店に入ると、人懐こい店員さんと、
何人も入っているお客さん。
当日予約をして、数時間後に最後お店に行った。
以前、かぶれたことがあること、
その後行ったお店でマニキュアをし、タオルが汚れまくったこと。
今までの苦労話をして、おばちゃん店員さんは同情してくれて、
かぶれないように気を付けてマニキュアをしてくれた。
その後、家に帰ってシャンプーをしても、タオルが汚れることはなく、
「やっと、行きつけの美容院を見つけた」
と安心したのもつかの間、
またもや問題が発生。
顔のおでこと前髪との境目の辺りが、
顔の輪郭に沿って幅一センチほど、赤くなっているではないか!
あきらかに染料負けしているおでこの肌は、
美容院での施術が原因としか思えなかった。
すぐに美容院に行ってことの経緯を話し、
「この先どうしたらいいんでしょう。どこに行っても駄目なのです」
と途方に暮れたが、
今回施術をしたおばちゃん店員さんはその日はおらず、
別の店員さんがパッチテストをしてくれて、
「夜になっても異常がなければ、大丈夫でしょう。
半年以上置いて、また来てみてください」
と言ってくれた。
とはいえ。
もう絶対にかぶれたくないので、
「別の美容院を探そう!」
と心に決めた。
あれから、半年以上が経った。
また新たな美容院を探すべきなのだろうが、
なかなか気持ちが前向きなならず、
生え際の白髪を見て見ぬふりをしてやり過ごしていた。
いままでも毎回、半年に一回の白髪染めだったので、
半年ほどは帽子をかぶったりして分からないようにしていた。
でも。
半年以上が経過し、さすがにもう無理かなと思い始めた。
もうすぐ、ゴールデンウイークだし、
今回は県外のテーマパークに行く予定にしていて、
写真も撮りまくるだろうし、
そろそろ限界かなと思い始めた。
そこで私が選んだのは、
「タオルが汚れる美容院」だった。
なんだかんだ言って、タオルが汚れるのは、
かぶれたりすることを思えば、
まだましだなって思った。
少々髪の色落ちがあったとしても、
顔がパンパンに晴れたり、
おでこが赤くかぶれたりするより、
何十倍もましなことに思えたのだ。
こう何回もかぶれていると、
今回もかぶれないとも限らないが。
ひとまず、前回はかぶれなかったということで、
期待をかけてみようと思う。
かぶれたら、かぶれたで、
その時はまた美容院難民として、
新たなお店を開拓していくしかない。
人生、100パーセント自分の思い通りに
なることばかりじゃないから。
そんなこんなで、小4の次女に心配をかけていた
私のグレイヘアは、もうすぐ黒くなる予定。
でも次女の思いはしっかり受け止めて、
グレイヘアの本を読んで、
いろいろな考え方があることを知って、
より自分らしくいられるやり方を見つけていきたいと思う。
グレイヘアだから、気持ちまで老け込むわけじゃない。
黒く染めたから、何もしなくても若々しくいられるわけじゃない。
要は、自分がどう生きていくか。
しっかりと地に足を付けて、
自分なりに生き生きと生活していきたいと思っている。