冬菜かしこの「小学生、中学生と遊んでみたり、学んでみたり」の日々

二人娘と一緒に遊んで、学んで、楽しんでいるアラフィフ小学生ママの記録です。

【エッセイ】次女の学級閉鎖

次女の学年(小4)が、

3日間の学級閉鎖になった。

 

発熱、インフルエンザ、コロナ、

だと疑われる症状で休む児童が多かったようだ。

この時期、空気の乾燥や、

朝夕の微妙な冷えがあるので、

体調を崩す子が多いのも仕方がない。

あまり重症化しなければいいがと、

よその子のことながら、親心でそう思った。

 

そんな私とは裏腹だったのが次女である。

周囲がそういった状況でも、

いつも通り元気な次女は、

祝日と土日を含めて、6連休になることに、

やや、ラッキーだという様子であった。

子供なのだから、いたしかたがないのかもしれない。

 

そもそも。

最近の次女は学校嫌いなのである。

授業の板書も、本読みも、

一時間ずっと椅子に座っておくのも、

意味がない、と思っているのだ。

 

朝も弱いので、なかなか起きない。

そこへきての、小4からは、6時間授業。

どうやらしんどいようである。

 

「教科書を読めば、30秒で分かることを、

なぜえんえんと一時間もかけて説明するのか?

意味が分からない」

そうなのだ。

なるほど。

読書好きな次女らしい、

痛いところをついた指摘であった。

 

私だって、その指摘を、

全面的に否定する論理は持ち合わせていない。

だが、のみ込みの遅い子に合わせるのは、

仕方のない事なのだ。

そうしなければ、30人近い児童に1人の先生、などという、

一斉授業は成り立たないのだ。

 

一応、次女にも説明はしてみたが、

次女は取り合ってはくれない。

小学4年生相手に、大人の事情を分かれという方が

無理なのだろう。

 

学級閉鎖というのは、

学校側からすると困った状況だが、

学校嫌いの次女からすると、

悪い気はしないのである。

 

つまらない授業をひたすら聞かなくていいし、

長い道のりの登校もしなくていい。

何より、やる意味の分からない漢字を書く宿題が、

平素よりは少ないであろうことを思うと、

気が緩んで、やれやれという気になったようだ。

 

一応、「午後3時までは家にいないといけない」

という先生のいいつけは守るようで、

私の買い物にも付き合うことはなかった。

その意思の固さはあっぱれだとは思うが、

問題は時間の使い方である。

大した宿題もでていないため、

時間が余って仕方がない。

ついつい、

ゲームやユーチューブにのめりこむのも無理はない。

 

私の外出中に、4時間もの時間をユーチューブに

費やしていたといい、

「何を浮かれて遊んでるのよっ!」と、

子供に手を焼いているのは、

私だけではないだろう。

 

けれど、良い事ばかりではないのが、世の常。

学級閉鎖から3日目、

次女の体調に異変が起こった。

 

「ご飯を食べられない」

「のどが痛い」

「熱が38度以上ある」

どうやら、学校のインフルエンザをもらってきたらしい。

やれやれ。

しっかりと養生せねばと、

次女を布団に寝かせることにした。

 

そんな時に限って、

お友達とイオンに行く約束をしている。

仕方なく、連絡先が分からないので、

車で自宅に行き、事情を説明した。

申し訳ない気持ちと、

次女のせつなさを思い、

沈んだ気持であった。

 

「延期して、行けるようにするから」

と次女に説明しても、

涙を流して悲しみに暮れている。

しかしどうすることも出来ない。

こんな時、親は無力である。

けれどすべてが万能にうまくいく人生などありえない。

「今回のハードルを越えて、

たくましくなってくれ」

と祈るばかりであった。

 

発熱から3日経ち、

次女はようやく回復の兆しを見せた。

すると、

「どこかに連れて行け」

という。

「お友達とのイオンも行けず、

何もできていない。

なにもない6連休などありえない!」

のだそうだ。

 

そんなことを言ったって、

もともと、病人が多いからとの学級閉鎖であり、

それに自分がり患したからといって、

「遊び足りない」

とは何ごとかと。

しごく当たり前の感覚でいたのだが、

主人は違っていた。

 

「うるさくいうのなら、外食でも連れていこう」

であった。

本当は、自分が行きたい気持ちもあったんでしょ?

と、言葉にできない気持ちを、

心でつぶやいた。

どちらにせよ、

「僕がお金を出して外食に行く。

それならいいでしょ?」

というので、

「それなら、どうぞ、どうぞ」

と2つ返事で了承した。

 

病み上がりの次女を連れて、

近所のイオンで「パンバイキング」のランチに行く。

焼き立てのパンをほおばって、

ドリアやハンバーグをほおばって、

楽しくおいしい時間を過ごす。

 

3日間も布団に入っていた次女。

久しぶりの外の空気に、

とても楽しげであった。

 

思いがけず、本当の意味での、

「学級閉鎖の休日」

をすごすはめになったけれど、

おいしいランチをごちそうになったのだから、

悪い事ばかりではなかったよと、

私は思いたい。

 

食べやすいようにとゼリーとりんごを買いにはしったことも、

大勢の人がひしめく内科で、本人の代わりに受診をしたことも、

終わってみれば、なんてことのない手間だったように思う。

 

母親業は、楽しい。

でも。

時に大変な時もある。

それでも。

家族4人が力を合わせれば、

なんとかなるという気がしている。

こんな時だからこそ、

そんな気持ちに気づかせてもらえるのである。