冬菜かしこの「小学生、中学生と遊んでみたり、学んでみたり」の日々

二人娘と一緒に遊んで、学んで、楽しんでいるアラフィフ小学生ママの記録です。

デザートと割引券

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こんにちは、冬菜かしこです。

今日はとても暑い、初夏の日差しの一日でした。

 

さて、年末にサービスエリアで外食して以来、

実に3か月以上も通常の外食をしていなかった我が家。

久しぶりに、イタリアンのお店に行きました。

 

毎回、新聞チラシの割引券(一人100円引き、4人まで)を持って、

パスタやピザをメインに選び、ドリンクと総菜のバイキングが

ついている人気のお店です。

以前は午後から行くと、大抵車が停められなかったのですが、

最近は疫病の影響で、少し停められるようになりました。

とはいえ、4組ほど並んでいて、10分、15分くらいは

待つことになりました。

 

中に入ると、いつものように、

おいしそうなお惣菜がずらりと並んでいます。

このお店は何度も来ているので、だいたいのお惣菜の味は把握できています。

でも、どれもおいしいので、結局全種類をお皿に載せてしまいました。

 

大きな乱切りのフライドポテト、パプリカと大根のマリネ、

チャーハン、豆のトマト煮、スナップエンドウの茹で物、

ニンジンのマリネ、白菜のマリネ、青のりのフリッター、

春キャベツの茹で物、さつま芋のクリームがけ、

かぼちゃの煮物、しいたけの煮物、オリーブのマリネ、などなど。

あとは、定番のサラダに、コーンスープに、フォカッカチャ、

ドリンクでした。

 

どの料理もいつもの定番で、主人は少々物足りないようでしたが、

私は「定番」が好きなので、満足でした。

パスタとピザは、季節ごとに色々新メニューが出るのですが、

今シーズンは「レモン」がメイン素材なので、

子供の好みから外れたのでパスしました。

 

長女がパスタ、次女がピザを選んで、

4人で取り分けておいしく頂きました。

 

前回はデザートを3人分注文し、

一人前3種類なので、合計9種類を、

4人で分けていただきました。

でも今回はそれを忘れていた主人が、

「デザートは4人分」と言うのでそれに従って、

一人3種類を選ぶこととなりました。

 

なんどもバイキングコーナーを往復し、

ドリンクをいただいたり、

スープをいただいたり。

好きなおかずを選んではテーブルに運び、

好きなものをすきなだけ、食べていきました。

パスタ、ピザ、そして総菜のバイキング。

全てをお腹に入れて満足しました。

 

最後に、お店の人に、

「デザートをお願いします」と言って、

デザートワゴンを持ってきてもらいました。

 

その後に、

ちょっと気になることが起こりました。

デザートワゴンにたくさんのデザートをのせて、

お店の人がやってきました。

このお店はデザートの説明をしてくれるので、

それを聞いていたのです。

次女は「私もう決まっているー」と言って、

すぐに盛り付けてくれるようにせかします。

お店の人も楽しそうにお皿に並べてくれました。

 

その時。

隣のテーブルのお母さんらしき人が、

自分の子供に向かってだと思いますが、

こう言いました。

「デザート食べたい?」

 

すかさず子供は「食べたい、食べたい」と答えます。

そしてそのお母さんらしき人は、

店員さんにデザートを注文していました。

その様子を何気なく視線の端に入れていた私は、

「ああ、4人で来ているけど、デザートのお皿は2枚なんだ」

と思いました。

 

前回、うちは3人分のデザートを4人で分けました。

それは、少しでも安く上げようとする、

主婦の節約術だったのです。

でも今回は3か月ぶりだったので、

奮発して4人分注文したのです。

だから隣のテーブルの人の「2人分のデザート」の気持ちが、

痛いほど分かったのです。

 

子供には寂しい思いをさせたくない。

親なら誰だって思うことです。

私の親もそうやって育ててきてくれたのだし、

私自身もそうやって育てているのです。

みんな。みんな。

子育て世代やそうやって、

子供を育てているのです。

 

隣のテーブルの人が、デザートを食べて、

うちより先にレジに向かいました。

私は新聞チラシの割引券を切り取り、

隣のテーブルのママさんに、

「これ、どうぞ」と渡しました。

 

「うちのせいで、予定外のデザートを頼むことになってしまい、

すみません」

との気持ちでした。

相手はきょとんとしながら、

その真意を測りかねながら、

それでも普通にどうも、と言う感じで受け取ってくれました。

 

そのあと、レジをすませたその人は、

割引券を使ったらしく、

「ありがとうございました」

と声をかけてくれ、

帰っていかれました。

 

その様子をみていた主人が、

「うちの支払額は、どうなるん?」と聞くので、

「割引なしです。通常価格です」と答えると、

「えー、なんでそんなことするんー」とぶーたれていました。

 

「自己満足なんじゃないの?」と私をちょっと責めるように言うので、

「そうです、自己満足です」と開き直って答えました。

 

「うちのせいで、予定外のデザート代がかかったようなものだから。

ずっと、そのことを思っているのも、いやだから」

と答えながら、

「本当に、それだけだろうか」

とふと疑問に思いました。

 

ずっと、ずっと、考えて。

ようやく分かりました。

私は、たぶんうれしかったのです。

隣のテーブルの子供が「デザートいる」と言った時、

「我慢しなさい!」とも言わず、

「わがまま言わないの!」とも叱らず、

ただ、淡々と、デザートを頼んだそのお母さんの優しさが、

私は嬉しかったのです。

 

以前、会社の同僚が言っていました。

「エビフライ作っても、自分の分はいっつも、

子供にとられちゃうのよね。

いっつも食べられないわー」

あはは、と笑うその楽しそうな表情が明るくて、

心の中が暖かくなったのです。

 

ああ、そうだ。

あの時と同じ気持ちだったのだ。

「私も子供が第一優先だけれど、

隣のテーブルのお母さんも、同じだったことが、

妙にうれしかったのだ」

ようやく腑に落ちました。

 

もしも隣の人にあげずにいたら、

割引券で「400円分」浮いていましたが、

べつにいいのだと思っています。

400円に振り回された生活は、

私の本意ではないのです。

それは小銭を軽んじるということではなく、

気持ちの問題だと思っているのです。

 

レジを済ませた後、

お店の人が「ありがとうございました」と言われました。

そのあと。

ドアを開けて出ようとする私に、

「またのお越しをお待ちしています」と言ってくれました。

ああ。

お店の人は分かっているのだと思いました。

別に、誰かに褒めてほしいわけではない。

でも、誰かが見ていてくれていたことが、

ちょっと、くすぐったく、

ちょっと、うれしかったりもしたのです。

400円でいい思い出が出来るなら、

やすいものです。

 

「バイキングの目的は、元を取ることにあらず。

お店を出た後に、楽しかったー、と思うことにある」

私がいつも思っていることです。

今日は、楽しかったー、といえるバイキングでした。

 

明日も良い一日になりますように☆