冬菜かしこの「小学生、中学生と遊んでみたり、学んでみたり」の日々

二人娘と一緒に遊んで、学んで、楽しんでいるアラフィフ小学生ママの記録です。

【エッセイ】一緒に自転車登校

長女が中学校に入学してからというもの、

出来る限り、一緒に自転車登校していた。

初日は、中学校の駐輪場まで行き、

2日目からは、家から中学校までの7割くらいの場所まで

一緒に行った。

バイトの開始が早い日は、2割くらいの場所で勘弁してもらい、

バイトが遅番だったり、休日だったりしたら、

また7割くらいの場所まで一緒に行った。

 

最初は恥ずかしがっていた長女も、

一緒に行くことが楽しくなったらしく、

だんだん、おしゃべりをしてくるようになった。

普段、家では次女が幅を利かせて、おしゃべりして、

ママをとってしまうことが多い。

それが登校の時だけは、長女はママを独占できる。

 

「もう来ないでいいよ」

時々そう言いながら、

いざ一緒に自転車で走り出すと、

おしゃべりする長女は、

やはりちょっと嬉しそうであった。

 

昨日は初めての、雨の登校だった。

カバンを後ろの荷台に乗せ、カバーをかけて、

自分はかっばを着て、自転車を走らせた。

首回りが痛いと言い、かっぱを緩めたり、

家を出遅れたので、信号を有効に活用して、

いつもとは違う道で行ってみたり、

出来る限りのサポートをした。

 

家を出遅れた長女が、

「もう、遅刻する、遅刻する」

とあせりまくっているのを、

「絶対、ぜったーいに、間に合わせる!」

を太鼓判を押して、一緒に自転車を走らせて、

なんとか間に合わせた。

 

だから、「雨が降っているから、早めに出なさいよ」

と釘をさしておいたのに。

本人にそう言っても、「聞いていない」の一点張り。

仕方ないから、もう蒸し返さないことにして、

次からはもっと早く、もっとしっかり大きな声で、

釘をさそうと思ったりした。

 

そうして。

今日は、またもや長女が支度に手間取り、

バイトの朝番の私は、

「今日はもう本当に、一緒に行けない」

とお断りをした。

「いっつも、もう来ないでいい、って言ってるじゃん」

とか何とか言いながら、ちょっと緊張した面持ちの長女。

家から10mほど、長女の自転車の横を走って、

「いってらっしゃい!」

と励ました。

もう一度、「いってらっしゃい!」

さっきよりも大きな声で。

長女が角を曲がるところで、

もう一度、「いってらっしゃーーーい!」

周りの家に聞こえるくらいの大きな声で、

長女に呼び掛けた。

 

長女は振り返らない。

でも、私には、少しだけ緊張がほどけたように見えた。

いつもと同じ背中が、少しだけたくましくなって、

中学校に向かったように見えた。

いってらっしゃい。

もう一人で登校するようになった長女に、

ほんの少しの寂しさを感じて、

私は家の中に入った。

 

次女は長女より早くに、小学校に登校した。

家の中には私しかいない。

「行ったんだね」

いつまでも感傷に浸るほど、

ゆっくりできる時間はない。

私は私でバイトに出かけなくてはならない。

 

「今日は良いお天気だな」

長女が一人で自転車登校するにはもってこいの、

気持ちのいい青空だなと思った。

大型連休の間の平日。

きっと学校では、明日からの大型連休の後半のことなど、

話すに違いない。

特に当でする予定のない我が家ですら、

大型連休は心がうきうきしているのだ。

きっと小学校でも中学校でも、

子供たちは楽しくおしゃべりすることだろう。

 

娘が巣立つことを、あれほど楽しみにしていたのに、

今はなんだか寂しさを覚える。

それでも、まだ小学生と中学生。

大型連休には、家族で出かけることを、

何よりも楽しみにしているお年頃である。

 

今を、楽しもう。

いつか、本当に巣立って、

行ってしまう日が来たとしても、

今はまだ、娘もまだまだ子供なのだ。

ならば、今を、楽しもう。

 

大型連休の後半は、3日間は良いお天気が続くらしい。

楽しい思い出が出来るように、

この連休のイベントを、精一杯、

盛り上げていきたいなと思っているのである。