冬菜かしこの「小学生、中学生と遊んでみたり、学んでみたり」の日々

二人娘と一緒に遊んで、学んで、楽しんでいるアラフィフ小学生ママの記録です。

【ボランティア】突然の雷の日に

先日、小学校の算数のボランティアの日。

 

ボランティア開始1時間前くらいに、

ボランティア仲間の方から電話があり

「今日、雨降っているけど、行くの?」

と聞かれ、お天気回復したら行く、とお返事した。

開始30分前に雨が降っていましたが、小雨だったので、

私は行こうと決意して、そのことを電話で連絡した。

その方はいかない意向で、

すでにご主人とお茶しているとのことで、

また次回にお会いしましょう、というお話をした。

 

自転車にまたがるころには雨も上がり、

普通に行くことができてやれやれ。

下手すれば雨でびしょぬれになるだろうけれど、

なんとかそれを回避して、ぬれずに算数の時間になった。

 

今年の算数の補習希望者は驚くべき人数で、去年の3割増しくらいはいる。

とてもじゃないけれど担当の先生ひとりではまわらなそうで、

集まった4人のボランティアでがんばってお手伝いしてきた。

ボランティアのうち二人は、

児童の机をまわって、算数の苦手な児童に教えていった。

のこりの二人は、

「算数プリント一覧表」に、出来たプリントの欄に、

花丸やらニコちゃんやらを書いていった。

私はひたすらニコちゃんを書いて、

「がんばったね、100点」と励ました。

 

一度間違えても、次にきちんと直していれば、

丸を付けてあげて、100点!と言ってあげる。

大切なのは速さや完璧さではなく、

その児童ひとりひとりの努力の量。

だからどんな不器用な子でも、

がんばって算数を解いたのが分かれば、

みんな100点だと思っているのだ。

 

でも。

我が子にはなかなか言えない誉め言葉。

他人の子供にはすごく素直に言える自分が情けない。

なんだかな。

でも身内ってそんなものかもしれないと、自分で自分を慰めて。

ひたすらニコちゃんを書き続けた。

 

今日、気になった児童の間違いは、「繰り下げの仕方」。

例えば「33-7」とかの繰り下げの場合、

33から1繰り下げて2にしてから計算して、

26になるはず。

ところがある児童は、

33から2を繰り下げてしまい、

1にしてから計算していた。

16になるというわけ。

当然答えは間違いだ。

でも何度も繰り返し間違えていて、

「もう習慣になってるな」と感じたので、

プリントに「繰り下げは1」と書いておいた。

他のところはしっかりできているだけに、

惜しいなと感じた。

 

それとは対照的に、とても算数が出来る子もいた。

その子のお母さんをよく知っているのだが、

一年生の時は体育発表会にも参加できなかった個性派の子だった。

ところが。

特にいばることなく、めだとうとすることなく、

ただ淡々と、算数のプリントを驚くべき速さでこなしていっていった。

 

ああそうか。

「能ある鷹は爪隠す」

その子本人も、たぶんお母さんも、気づいていない才能が、

その子には眠っているように思えた。

なぜそう思ったのか?

それは、その子がとても素直だったから。

 

国語や算数や、勉強が出来る子はどこにでもいる。

でもどこかしら「勉強できる」自尊心が大きい態度が、見え隠れするもの。

僕ってすごい、私ってすごい。

その自信はだめではないけれど、

やはり私が応援したくなるのは、出来ることを鼻にかけない、

何気ない態度に終始する子供だったりするのだ。

それは本当に才能がある者のみがもつ、余裕にみえたりするのだ。

少しうらやましい気もするが、

将来を担うだろう児童が才能を伸ばすのは、

出来る限り応援してあげたいと思っている。

たとえ、自分の子供ではなかったとしても。

 

大人数の算数教室は、わちゃわちゃ感が半端なくて、

にぎやかでしたが楽しかった。

いつも思うことですが、楽しいと感じる人が一人でもいれば、

その空気はその場所からそとへと伝染していくような気がする。

 

だから今日も私はニコちゃんを書きながら、

「100点です。がんばりました」

「もう、算数が得意って言っていいんじゃない?」

「最初から全問正解なんてすごい!」

とあらゆる誉め言葉のシャワーを、

子供にプレゼントしていく。

それは、お金のかからない、

私からのプレゼント。

 

「楽しんでね。算数が苦手だったとしても。

ママさんボランティアが応援しているからね」

 

心でそうつぶやきながら、今日もひたすら笑顔でニコちゃん。

そんな算数ボランティアなのだ。